須加神社 (松阪市)
三重県の須加神社(松阪市) を掲載しました。
三重県松阪市にある。
JR名松線の権現前駅から北へ400mほどの嬉野権現前町に鎮座。
境内入口は南向き。入口にえんじ色の鳥居が立っており、鳥居の左に「式内須加神社」と刻まれた社号標。
また、伊勢周辺の古社では、享保年間和歌山藩より「禁殺生」の棒石が建設され、当社には「禁殺生 須加神社」と刻まれた石がある。
参拝は三月の雨の日。
遷宮を終えた神宮に参り、長野へ戻る途次に立ち寄った神社。
鳥居をくぐると、豊かな社叢の中を参道が延びており、突き当たりに立つ鳥居の前で西側参道を合流し、鳥居の奥、階段上に社殿がある。
階段の右脇に「天の真名井」と呼ばれる底の知れない天然の井戸があるが、コンクリートで蓋をされており、中を見ることは出来なかった。
また、石段の「万福寺」と刻まれた石があるらしいが、参拝後に探してみようと思っていたのを忘れて帰宅してしまった。
地図を見ると、権現前駅と当社の間に万福寺という寺があるが、当社と関連のある寺(神宮寺か?)なのだろう。
階段上には拝殿があり、拝殿の後方に垣に囲まれて、薄いピンク色したコンクリート神明造の本殿が愛らしい。
江戸時代には須加権現と称された神社。
社伝によると、人皇十一代垂仁天皇十八年巳酉(前12)四月、倭姫命が天照大御神を奉じて伊勢への途次、鈴鹿の忍山からこの地に移り給うた時、阿射加山に荒ぶる神がいて難渋し、大若子命に命じて、その神を鎮めたという。
倭姫命はいたく喜ばれて「あな嬉し」と仰せられたのが嬉野の地名の由来。
この時、倭姫命によって当地に創祀されたのが当社の起源だという。
式内社・須賀神社に比定される古社で、須賀の里の産土神。
祭神の道主貴神は、宗像三女神(多紀理姫命 多岐津姫命 市杵島姫命)の別名でみちびきの神であり交通安全の守護神。奈良桜井と松阪六軒を結ぶ初瀬街道を行く旅人が当社に参拝したという。