松原諏方神社 (松原湖)

長野県にある、松原諏方神社(松原湖) を掲載しました。

長野県の小海町にある。
小海線・松原湖駅の南西2Kmほどの松原湖畔に鎮座。

松原湖は、西から大月湖、猪名湖、長湖と並ぶ三つの湖の総称だが、
一般には、一番大きな猪名湖のことを松原湖と呼ぶ。
標高1123mにある湖で、八ヶ岳の爆裂で生じた
丘陵窪地に大月川が氾濫して生成されたもの。
猪名湖の周囲は1.98Kmほどあるらしい。

その猪名湖の南西、480号線に面して東向きに境内入口がある。
参道に木製の両部鳥居があり、道祖神を祀る御神木を通過すると
湖に面して西向きの境内がある。

階段を上ると堂々とした大きな入母屋造の拝殿。
拝殿の後方には流造の本殿がある。
信州の諏訪社なので、拝殿の斜め前には一本の御柱が立っている。

鳥居や拝殿の扁額には「松原諏方神社」とあるが、
資料には「諏訪社上下二座」とあり、それが正式名なのかもしれない。
「上下二座」とあるように、諏訪湖の諏訪大社同様、
松原湖の南に当社・上社があり、北岸に下社が鎮座している。

社伝によると、下社は神功皇后の御宇、上社は天智天皇の御宇の創祀。
御霊代には天慶二年(939)八月十五日の文字があり、
その頃に、当地の伴野氏が創建したとも考えられている。

松原湖には、以下のような畠山重忠の龍伝説がある。

昔、源頼朝がらい病にかかった時、
龍の生胆を飲めば良いという神のお告げが夢に現れ、
頼朝は畠山重忠に龍の生胆を取って来いと命じた。

どこで手に入れれば良いかと、重忠が途方にくれていると、
「信州松原湖にすむ龍の生胆を取るが良い」と、ある夜の夢のお告げがあり
すぐに松原湖に出かけて行くと、松原神社から弁天島へ下る大弥太坂で母と行き合った。

重忠が母に頼朝の命令の話をすると、
「私が湖中にはいって蛇体となるから肝を取って主君に奉れ」といって入水し、
たちまち水面に水柱が立ち、大蛇が姿を現した。

重忠は、今はもう躊躇する時ではないと決意し、
ついに龍を殺して生胆を取り、頼朝に献上した。
頼朝の病気はたちまち治ったので、
湖畔の神光寺の境内に重忠の母のために五重塔を建てて供養したという。



A. 掲…掲載 — gensyoushi 4:11 PM