矢彦神社 (辰野町)
長野県にある、矢彦神社(辰野町) を掲載しました。
長野県辰野町にある。
中央本線・小野駅の北800mほどの小野に鎮座。
153号線(三州街道)に面して南東向きの境内入口がある。
当社境内の北には小野神社が鎮座。
小野神社と矢彦神社が、同じ規模の境内で並んでいる
というより、両社の間に垣や塀などはなく、社地境界標の石柱のみ。
通称を「頼母の森」「憑の里」と呼ばれる、一つの境内に
並んで鎮座しているような状態が面白い。
昔は両社合わせて「小野南北大明神」とも称されていた。
「憑の里」は「たのめのさと」と読み、万葉集にも
「信濃なる伊那の郡のおもふにも たれか憑の里といふらん」
と歌われた有名な地らしい。
当社は辰野町に鎮座しているが境内周囲は塩尻市。
天正十九年(1591)、松本領と飯田領の間で領地争いが起こり
小野盆地は、北小野と南小野に分割された。
小野・矢彦両社の鎮座する森は、北小野(現塩尻市)地籍となり
境内は南北に分断され、当社矢彦神社は南小野の飛び地となったという。
鳥居をくぐり参道を進むと、正面に神楽殿。
神楽殿の後方に勅使殿があり、その奥に拝殿。
拝殿の左右に回廊があり、垣に囲まれて本殿などがある。
本殿などの社殿は、正殿、副殿、南殿、北殿、明治宮とあるらしいが
垣に囲まれてよくわからなかった。
拝殿の格子からのぞいてみると、正面に四棟並んだ社殿があり
その後方に幾つかの社殿がある様子。
前方の四棟並んだ祠は境内社だろうか。
拝殿、左右回廊、神楽殿、勅使殿の五棟が県宝に指定されている。
創祀年代は不詳。
社伝によると、
日本武尊東征のおりの行在の地であり、
延暦年間、坂上田村麻呂東北征伐の際にも戦勝祈願したという。
小野神社と共に信濃国二之宮として尊崇された神社で、
当地開国の四神を祀り、本郡五十四カ村の総鎮守。