阿波命神社 (神津島)

伊豆諸島・神津島の阿波命神社(神津島) を掲載しました。

東京から180Km南にある神津島にある。
島の西側にある(前浜)神津島港から北へ4Kmほどの長浜に鎮座。

神津島への船の入港地は、通常は西側の前浜だが
風によっては、東側の多幸湾となる。
風に弱いジェット船は多くの場合、多幸湾ということ。
僕はジェット船で神津島へ来たのだが、
やはり多幸湾に着いてしまった。
島の中心は前浜にあり、多幸湾からは村営バスが
日に数本あるのみ。
仕方がないので、本日予約していた宿に連絡して迎えに来てもらった。

当社へは前浜から海岸沿いに北上するのだが
バスの便が少ないので、宿からタクシーを利用した。
長浜海岸でタクシーをおり、まず海岸を歩いてみた。
浜の南側には大きな岩が転がっているが
北側は海水浴に適した砂浜。
当社は、その砂浜に面して鎮座している。

長浜海岸に面して西向きに参道入口があり、
鳥居をくぐって、砂浜の参道を歩くと神橋。
神橋の向こうが境内だが、境内は海砂が敷詰められ
裸足で歩きたくなる境内。
実際に本殿の近くでは靴を脱ぐと言う話も聞いた。

長浜の案内板に、
長浜の石を持ち帰ると神罰が下るという伝承が書かれていたが
地元の方々は願い事があると、
長浜の石を鳥居や社殿の前に置くらしく
鳥居の足元には、丸い石が山積みされていた。

境内の奥、石段の上に社殿がある。
昭和六十三年、災害により倒壊し、平成四年の修理されたようだ。
本殿は赤い屋根の入母屋造。

当社境内は、渓谷の入口にあり、
社殿後方の谷が、青空の下にV字の形で面白い。

境内の右手に、丸い石を積んで階段にした場所がある。
階段を登ると、「阿波命神社旧蹟」と刻まれた石碑。
昔はここに社殿があったのだろうか。

通称は長浜様。
創祀年代は不詳。

『続日本後紀』によると、
神津島は、上津島と呼ばれ、
承和五年七月五日、大噴火があった島。

祭神は、阿波咩命。
言い伝えでは、三島大神(事代主命)の本后。
ちなみに三島大神には伊豆諸島に多くの后が存在するが
本后が阿波咩命。
本后であるのに、他の后(伊古奈比咩命)が先に冠位を授けられ
大噴火は、その本后である阿波咩命の祟りと考えられたらしい。
長浜の石を持ち帰ると神罰が下るというのも
この祭神の気性による伝承だろう。



A. 掲…掲載 — gensyoushi 1:20 PM