阿射加神社 (松阪市大阿坂)
三重県の阿射加神社(松阪市大阿坂) を掲載しました。
三重県松阪市にある。
松阪駅の西9Kmほどの大阿坂町に鎮座。
松阪市の北西に位置し、阿坂城のある阿坂山(現、枡形山312m)の東麓、
伊勢道松阪I.C.入口から北へ2Kmほどの場所。
58号線を北上し、JAの横を西へ入ると当社の社域が見えてくる。
境内入口は東向き(正確には北東東向き)。
数段の階段をのぼると参道入口に鳥居が立っており、
鳥居の右脇に「禁殺生」「阿射加神社」と刻まれた石柱。
伊勢周辺の古社では、同様の石柱が社前に立っているようで、
参道の由緒書きによると、享保九年(1724)紀州家より贈られたものらしい。
鳥居をくぐり、木々の茂る長い参道を進むと境内社や鳥居、御神木。
参道の先に割拝殿があって、その奥が広い境内。
その境内の西端に鳥居が立っており、階段を上ると神門。
神門が拝殿を兼ねた構造で、神門の前、階段下に賽銭箱が置かれており、そこで参拝する形式。
神門の奥、玉砂利が敷き詰められた場所に、瑞垣に囲まれた本殿が鎮座している。
由緒書きによると一殿三扉の唯一神明造で、三柱の神を祀っているような構造。
左手の少し高い場所から瑞垣の中を見てみると、社殿の前面にシートが被せられており、
何かの工事中だったのだろうか。また垣内の本殿の周りにいくつかの小祠があるようだ。
参拝は三月中旬。
式年遷宮を終えた伊勢神宮への参拝の帰りに立ち寄ったが、あいにくの雨。
ただ当社のように緑の多い神域では、雨の日の参拝も心地よい。
『倭姫命世記』などによると、
安佐賀の山の嶺に荒ぶる神がおり、宇治の五十鈴の川上の宮へ行くことが出来なかった。
倭姫命がこの荒ぶる神の所業を天皇に申し上げるため
大若子命たち三人を朝廷へ遣わされたところ、
天皇は大若子命に命じて様々な贈り物を荒ぶる神に捧げ、
ついに安らかに鎮めることができ、安佐賀に社殿を建て、
荒ぶる神である伊豆速布留神を祀ったのが当社の起源。
垂仁天皇十八年四月十六日のことであるという。
その後、応永年中(十五世紀)伊勢国司北畠満雅が阿坂山に砦を築いた時、
山上から現社地に遷座したとも伝えられているらしい。