佐那神社 (多気町)
三重県の佐那神社(多気町) を掲載しました。
三重県多気町にある。
紀勢本線佐奈駅の東700mほどの仁田に鎮座。
鬱蒼と茂る大きな森が境内で、東隣りに佐奈小学校がある。
当社の社名は佐那神社だが、鎮座地の旧名は佐奈村と書く。
紀勢本線の佐奈駅から東へ線路の北側の道(旧熊野街道)を進み踏切を渡ると当社の境内。
北向きの入口に新しい鳥居が立っており、鳥居の左脇に「縣社佐那神社」と刻まれた社号標がある。
境内の南側、42号線(熊野街道)にも境内入口があるが、とりあえず北側入口から境内に入る。
参道を進むと、江戸時代(西暦1850年頃)に植えられたと云う夫婦杉がある。
さらに参道を進み、右手に入る道に手水舎があり奥に社殿。
そのまま直進すると南側入口に出てしまう。
参拝は平成二十六年の三月。式年遷宮を終えた伊勢神宮参拝のおりに立ち寄ってみた。
境内の案内によると、平成二十七年三月に、当社でも二十年毎の式年遷宮(六回目)が行われるようで、参拝当日は本殿の工事中。
当社の本殿は神明造。周囲に足場が組まれ、数人の大工が作業中だった。
式年遷宮まで、当社の祭神は右隣に並ぶ境内社の和玉神社(地域の物故者を祀る)に遷されていた。
創祀年代は不詳。主祭神に天手力男命を祀り、『古事記』の天孫降臨の部分に、邇邇芸命に随伴した神として「次に手力男神は佐那那県に坐す」と記されているのが当社。
よって古事記編纂の頃(712年)には存在していたと思われ、式内社・佐那神社に比定されている古社。
延喜式には「佐那神社二座」とあり、天手力男命の他の一座には諸説あるが、当社では、曙立王(あけたつのみこ)とされている。
曙立王は、開化天皇の曾孫、日子坐王の孫、大俣王の子で、垂仁天皇の時、皇子誉津別命に従って出雲に至った神。
『古事記』には伊勢の品遅部君・伊勢の佐那造の祖と記されている。