道神社 (氷見市)

富山県にある、道神社(氷見市) を掲載しました。

富山県氷見市にある。
氷見駅の北13Kmほどの中田に鎮座。
富山湾を右手に見ながら160号線を北上し、
下田川を渡ったあたりで西に入り、300mほどで北へ。

狭い道路沿いに参道入口があり、「道神社」と刻まれた社号標。
参道の坂道を上ると社域の森。境内入口には石鳥居が立っている。

鳥居をくぐり参道を進むと寺院のお堂のような宝形造の拝殿。
この拝殿は、元は石動山山頂にあった天平寺の開山堂を買い取ったもの。
天平寺は、山頂の伊須流岐比古神社の別当・石動寺。
白山に次ぐ修験道の拠点として繁栄し、広大な寺領と多くの僧兵を擁し、
加賀・能登・越中・越後・佐渡・飛騨・信濃の七カ国からの
知識米の徴収を許可された大勢力であったが、
明治維新の神仏分離によって寺領を没収され経営困難となって解散した。
その開山堂を中村村が買い取って、当社の拝殿として再建したらしい。
建立は享和元年(1801)。
宮大工は石動山南麓の大窪村の藤岡信濃守藤原富綱。
(『富山県神社誌』では藤岡信濃守門弟大窪弥三右衛門)
彼らは尾張国建仁寺流の宮大工で、前田利家に従って移住して来たという。

拝殿の後方には、新しい幣殿と本殿があるが、
本殿の前に横に広がった変わった形の幣殿がある。

創祀年代は不詳。
中田の産土神として崇敬されてきた古社。

式内社・道神社の論社の一つで、祭神は猿田彦神。
他の論社が道君の氏神であるのに対し、当社は道の神を祀るため
『式内社調査報告』では論社として扱われていない。
式内社というよりも石動山(あるいは能登)への道の守り神を祀った神社なのだろう。



A. 掲…掲載 — gensyoushi 12:42 AM